平成22年改正時にその「近親間性交等を不当に賛美・誇張」という基準が不明確かつ公汎すぎると反対運動が盛り上がった東京都の青少年育成条例ですが、今回、まさにその基準が初適用されたわけです。文字通りのリーディングケースです。えっ?「妹ぱら」ですか?ええ、そりゃ当然買いましたよ。作品を見ずに論評なんか出来ませんし。33%OFFだったし。
妹ぱらだいす!2~お兄ちゃんと5人の妹のも~っと!エッチしまくりな毎日~ (TECHGIAN STYLE)
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御影石材
KADOKAWA/エンターブレイン
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個人的な趣味でいうと柚子ちゃん以外はあまり妹という感じがしない。
原作ゲームは知らんけど、内容はまあなんというか、むしろこの都条例の「近親間性交等を不当に賛美・誇張」という基準自体がプロットではないかというくらい、そのものズバリというか、日常パートとエロパートが妹5人分延々と様式美の如くループするわりと単純な構造。同じエロゲ原作の近親ものでも例えばヨスガノソラなんかは、背景にインセストタブーへの問いかけなんかが一応あったりして、それなりの思想性も見て取れなくはないんですけど・・・
「ヨスガノソラ」サウンドトラック
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Sphere (2009-02-27)
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もっとも、「妹ぱら」は近親ものというだけでなので、純粋なエロさ?で言うとわりとボーダーラインなんですよ。なので、あえて全年齢で出版するという判断もビジネス的には成り立ちうる。実際、不健全図書指定を喰らったお陰?で話題を攫いKindleコミックランキング2位まで来ましたからね。大人しく初めから18禁表示図書として出していればここまで話題にならなかったはず。仮にそういう戦略であれば大当たりということでしょうか。
もちろん都条例の改正基準自体はやはり萎縮効果を生む不明確なものだと思うし、それで角川書店が都相手に違憲訴訟をやらかして、憲法判例百選に「妹ぱらだいす!2事件」などというタイトルで載ったら胸が熱くなるな、とか色々思うところはあります。もし、この案件をきっかけに沈静化しかかっていた論議が再燃するのであれば作品も浮かばれるでしょう。