2014年03月25日

正義という凶器

正論や真実を振りかざして他人を罵倒するのはある種のカタルシスです。少なくともその時だけは正義の代行者のごとき錯覚を得ることが出来るかもしれない。けれども、束の間の法悦に満たされた代償として、その後、取り返しのつかない事態に陥ったりもする。

故・河合隼雄先生の有名な至言に「嘘は常備薬、真実は劇薬」とあるように、正論や真実というのはいわば人間関係における奥義開帳のようなものであり、正しすぎるがゆえに時に凶器性を鋭く帯びて人を傷つけることがある。なので、その取り扱いはゆめゆめ厳重になさなければなりません。いくら中身が誤謬なき大正義であろうとも、そこでそれを言われた人がどんな気持ちになるかを考えないといけない。

つまりロジカルな視点とリリカルな視点からダブルチェックをかけて検証してみるわけです。こうして諸般の状況を洞察した上で、あえて知らん振りをして三味線を掻き鳴らすか、或いはリスクを取って火中の栗を拾いに行くか、その見極めが大事ということなんでしょう。

こう書いてみると至極当たり前の話なんですが、こういうことは自覚的になっておかないと、ついついやらかしてしまったりするんですよね。覆水盆に返らずです。馴れ合うだけがいいとは決して思いませんが、やっぱり人間は感情の生き物ですから。日々の基本動作として重々気をつけたいところですね。

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タグ:心理 人間 洞察
posted by かがみ at 06:23 | 心理療法