2014年03月11日

奇跡も、魔法も、ないけれど

福島の子どもへ311個の折りバラ 山陽女子中

相対性理論の説くところによればエネルギーと質量は等価(E=mc2)であり、原子力発電というシステムは基本的にこの理論を核分裂反応に応用したものということになります。核分裂性物質ウラン235が中性子を吸収することで核分裂を起こし、核分裂生成物と中性子が発生する。この中性子を別のウラン235が吸収し、核分裂連鎖反応が起きる。その増倍係数kが1.0を超えた状態を超臨界といい、放射性物質の生成と引き換えに生じた僅かな質量差から莫大なエネルギーが産み出される。

言ってみれば、希望と絶望の相転移である。3年前の今日、福島第一原発がメルトダウンを起こし、多量の放射性物質と様々な社会的論点を撒き散らす一方で、同時進行的にまどかマギカという作品が深夜アニメとしては異例ともいえる絶大な支持を集めていたという現象はまさに時代の皮肉としか言いようがない。

原発少女めると☆ダウン 第9話

「まどか」の作中において変奏曲の如く繰り返し説かれたように、畢竟、希望とは条理への叛逆に他ならず、そこには反動としての歪みが生じそれは絶望となり跳ね返ってくる。だから何かを産み出すということは、その代償として別の何かを失うということなんです。そういう意味で、世界は差し引きゼロで成り立っているということなんでしょう。だけどね。それが仮に真理だとしてもやっぱり人として生まれた以上、我々はエントロピーに抗い続けていかなければならないんですよ。結果としてそれはムダな営為なのかもしれない。正義が勝つとは限らない、努力が報われるとは限らない、想いが届くとは限らない・・・何事もままならない世の中ですけど、結局、生きるという所業は、奇跡も魔法もない世の中で、それでもやっぱり奇跡も魔法もあるんだよと叫び続けて行くということ、なのかもしれません。

posted by かがみ at 06:05 | 時評/日記