生活保護法改正法案を成立させてはいけない理由(大西連) - 個人 - Yahoo!ニュース
このまま改正案が衆院を通過するのも時間の問題と思われる。生活保護法の本格的な改正は1950年の施行以来初めて。 確かに、就労による収入の一部を自治体が積み立て、自立の際の支援金として給付する制度など、ある程度評価されるべき制度も盛り込まれていますが、全体的に見れば完全に改悪です。
申請手続の厳格化は、どう言い繕うとも 現状ただでさえ全国至るところで制度の趣旨を曲解したずさんな運用が行われている実態を追認強化するものと言わざるを得ない。 明日をも知れぬ切羽詰まった相談者にこれこれの書類を全部そろえて持って来いとかドヤ顔で言い放つ役人という図が今から目に浮かぶようです。さらに行政は家族の資産を調べ上げるぞと相談者を合法的に脅せることになるでしょう。ましていわんや現在のみならず過去の被保護者およびその扶養義務者の保護期間中の資産・収入等についてまでも調査可能とする第29条に至っては文字通り絶句するしかない。そんなことをして一体何の意味があるのか理解に苦しむ。スティグマ以外の何者でもないですよ。
Afternoon Cafe 北海道で生活保護や支援を受けられずに亡くなった姉妹を思う
とにかくもうこういう悲劇を繰り返してはいけないんです。政府答弁によれば今回の改正は「特別な事例に対応するための変更である」としてますが、特殊事例に対処するため一般原則の方を改変するのは、立法政策としてあまりにも不細工。牛刀を以て鶏を割くと言う他はない。のみならず既存の福祉水準を不合理に後退させるという観点から違憲性の問題をも相当に孕んでくると思われます。確かに不正受給などけしからん受給者の問題は由々しきことなんでしょうが、その撲滅に血道をあげるあまり本当に必要な人が救われないという本末転倒などあってはならないことです。
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