【参考リンク】

現代思想の諸論点

現代批評理論の諸相

現代文学/アニメーション論のいくつかの断章

フランス現代思想概論

ラカン派精神分析の基本用語集

2013年01月04日

「10人の村で経済成長と失業を考える」を考える

はてブで話題になっていた記事でしたので、ちょこっと感想だけでも書いておきます。

10人の村で経済成長と失業を考える(アゴラ)

何かを啓蒙する例えとしては凄くわかり易いですけれど、要はマルクス経済学でいうところの産業予備軍ということになってしまうのかな。上記設例ではイノベーションを起こしたAさんとクビにされちゃったBさんら5人がいるワケですよね。そいで、合理的に考えればクビにされたBさんらは野菜の取り分に預かれなくなる訳だ。そこで、上記記事の通りBさんらが漁業とか他の産業を上手く起こすことが出来ればそれはもう資本主義万々歳になっちゃうんだろうけど、世の中そうすんなり行かないことの方が多いでしょう。

悲しいかなその先にあるものは、一方では余った野菜がムダに積み上げられ他方では飢え死にする人間が出るという末路(富の偏在)とか、余った野菜を他の村に売りつけようと考えたAの元でBらが以前より少ない取り分で使役される構図(余剰労働力の搾取)とか、Bらが結託してAからむりやり野菜と生産設備を取り上げる惨劇(暴力革命)とか、何れもろくでもない未来予想図しか見えてこない。

そりゃあ、この村のようにみんながみんな才能とバイタリティ溢れる世界だったらいいんだけれどね。こうして観ていくと経済学の理論っていうのは良くも悪くも最底辺に合わせて構築すべきなんでしょうね。

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タグ:経済
posted by かがみ at 00:22 | 時評/日記