2016年06月09日

ベーシックインカムは具体的な制度設計がわからない限り永久に議論がかみ合わない

スイス 国民投票で「ベーシックインカム」導入否決

反対8割。さすがにあまりにも革命的すぎると思ったんでしょうね。

月の支給額27万円ってすごいなって思うけど、スイスは世界一物価が高いことに注意です。例えばマックの店員の時給は2000円。ビールやチョコレートみたいに安いものもあるので、これだけでは単純比較できませんが、万が一、可決されていたら、よもやソ連成立に匹敵する社会実験になったでしょうが・・・。

参考までにBIに関して肯定論としては「とりあえず死なないで済む」「ブラック企業的労働が減少」「社会保障制度のコストが減少」ということが言われます。これに対して否定論からは「誰も働かなくなる」「生き甲斐がなくなる」「どこにその財源があるのか?」という点が言われる。

ただ、これらの議論は中身というか、具体的な制度設計がわからない限り永久にかみ合わないと思うんですよね。皆それぞれ「ぼくのかんがえたさいきょうのBI」みたいなものを暗黙の前提に好き放題言い散らしているだけというのが現状という気がします。

ただ少なくとも、結果支給される額が、現在の生活保護の最低生活費以下の額となると、貧困層にとってはただの切り下げになってしまい、治安維持や公衆衛生の上では確実に問題がありすぎる。現在のBI議論が新自由主義的な観点から多くを語られ、治安維持・公衆衛生という側面をやや忘却している感があるのは、そういう意味で気になるところではあります。

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タグ:法律
posted by かがみ at 02:12 | 法律関係