2016年01月11日

【書評】『人生がときめく片付けの魔法』。

人生がときめく片づけの魔法
近藤麻理恵
サンマーク出版
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親しみやすい言葉で紡がれる文章で、片付けが楽しくなる本。各論的(例えば取扱説明書や給与明細など)にはさすがにともかくとして、一般論としては正しい核心を持っている。例えば、モノを一度全部ばーっと出して、「寝た状態」から「起こした状態」にするというのはかなり直感的な説明ですが、心理学的には十分に根拠があることで、このような儀式を経由することでいわゆる「隔離の機制」が作動し、モノを過去のしがらみなどから心理的に切り離すことが可能となります。そして、もっとぶっちゃけていえば、一度床にモノを広げた以上、必ず片さないといけないわけですから、戻すものは少ない方がラクに決まってます。なので自然と選別眼は厳しくなってくるという仕組みです(笑)。つまり、ラクをしたいという人の心理を逆手にとっているわけです。

本書で展開されている「片付け理論」を早速少し適用してみたら、本当にかなりのものが捨てることができてびびりました。結果、なんだか部屋の視界が開けたような気分というか、実際ごちゃごちゃとしたものがないと掃除が楽しくなるだろうし、それでますます部屋がキレイになるという好循環が起きると思います。これがミニマリズムならぬコンマリズムということなんでしょうか。たかだか片付けで人生がときめくのかとも思われますが、「行動」を起点として「気分」「認知」さらには「身体」への好循環を生み出すという認知行動療法の発想からすれば、確かにありうる話でしょう。

こんまりさんは元巫女さんらしく、九十九神的な発想なのか、捨てるものも含めモノに対する畏敬の念が叙述の随所に感じられます。その片付けの裏テーマはずばり「お部屋を神社のような空間にする」だそうで、要するにあなたはパワースポットに住みたいのか、物置小屋に住みたいのか、ということを本書は問うているわけです。
posted by かがみ at 18:36 | 時評/日記