【参考リンク】

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精神病理学の諸論点

現代批評理論の諸相

現代文学/アニメーション論のいくつかの断章

フランス現代思想概論

ラカン派精神分析の基本用語集

2015年11月18日

自分の個人番号の公開は本当に処罰されることはないのか??

先日の大阪の焼肉屋のマイナンバーくじ事件は、内閣官房の後出しジャンケン的なところがあり焼肉屋さんには少し気の毒な感じはしますが、番号法の解釈論という点からみれば多少意義のある案件だったとも言えます。マイナンバーこと個人番号は4桁4桁4桁で構成される全12桁の番号ですが、その12桁全てのみならず、その一部の提示であっても、番号法上の提供規制や収集規制に抵触するというのが内閣官房の解釈ということなんでしょう。あくまで行政解釈なので訴訟案件になれば異なる判例がでる可能性はありますが・・・・それにしても、先方は事前確認をしてたにもかかわらず、騒ぎになってからやっぱりやめてと言い出す内閣官房の対応はお粗末と言わざるをえないでしょう。

ところで、番号法は法令所定の事項以外で、自身のものといえども個人番号を提供をしてならないと定めています(法19条)。ただし、これについてはいまのところ直接的な罰則はありません。が、それをもっていかなる場合も処罰対象になることはないと即断するのはやや危険でしょう。

番号法の適正な運用を図るため設置された特定個人情報保護委員会という機関がありまして、番号法違反について、勧告や措置命令、中止命令を出す権限を持っていますが、この特定個人情報保護委員会の命令違反については罰則対象となります(法51条・73条)。

つまり、自身の個人番号の公開行為が委員会の措置命令、中止命令違反となれば、処罰対象となることはありえるとも読めるわけです。先日、マイナンバーをブログで公開した件で特定個人情報保護委員会からみだりにそういうことをしないようにとの「注意喚起」がされたのは記憶に新しいですが、要するに何だかんだと結構、神経を尖らせているんだと思うんですよね。マイナンバーは現時点ではそこまで価値の高い情報は紐付いてはいませんが、将来の民間活用も視野に入れると、いろいろなセンシティブな情報が紐付いてくることが十分考えられます。くれぐれも軽挙妄動は慎まれた方が良いかと思います。

週刊東洋経済 2015年 10/03号[雑誌]

東洋経済新報社 (2015-09-28)

タグ:法律
posted by かがみ at 23:17 | 法律関係