番号法の立法担当者自身によるマイナンバー解説書。著者の水町雅子さんは弁護士で前内閣官房社会保障担当室参事。一問一答とその解説という形式で読みやすいです。ただし刊行が2014年3月とやや古く最近の動向はフォローされていない点は注意。同じ著者の手による類書に『やさしい番号法入門』。
マイナンバーについてはもうそろそも通知カードが届いた方も多いかと思いますが、Web上や週刊誌等を見れば毎日様々な情報が飛び交っており、多分に誤解や憶測に基づくものも混在しているように見受けられます。曰く「マイナンバーで会社に所得情報が知られて副業がバレる」「マイナンバーで家族に所得情報が知られて離婚が増える」「個人がブログやSNSでマイナンバーを公開しても罰せられることはない」「マイナポータルにログインさえすれば個人情報が全て閲覧可能」等々。全てそう一概に決め付けられないものも多いように思えます。
妙な情報に引っかからないためにも、一度、番号法の条文を参照しながら制度設計者による真っ当な解説を読むことも必要でしょう。