2015年08月14日

二重人格という問題。影とコンプレックスの円環構造。

いろいろ心身削られる事も多く、久しぶりの更新ですが、理論的整理のための覚書なのであまり面白くないと思います。

さて、二重人格というものがありますが、これはヒステリーの一種でして、DSM的にいうと解離性同一性障害(DID)の症状として分類される。かかる二重人格を心理療法の見地からどう読み解くかという問題ですが、まず河合隼雄「ユング心理学入門」では有名なイブホワイト/イブブラックの事例を引きつつこれを「影」の問題として取り上げられています。

ユング心理学入門
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ところが同じ河合先生の名著「コンプレックス」という新書では、コンプレックスが自我統合を乱す例として二重人格が取り上げられており、ここでもまたイブホワイト/イブブラックの事例が登場する。

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これは一体どういう事なのか。二重人格とは影の問題なのか、コンプレックスの問題なのか、この辺りを読めば読むほどよくわからなくなってきます。ここを理論としてどう説明するかという問題です。

さしあたり定義的に整理すると、コンプレックスとは個人的体験が無意識下に抑圧され感情に色付けられた心的複合体といわれる。一方で影とは「元型」の一つであり、元型とは個人を超えた人類全体に共通する先天的な精神力動作用と言われる。後天的作用であるコンプレックスとは概念上明らかに全くの別物という事になります。

ただ、影は元型のうちでも自我(これも元型です)の真裏に位置するため属人的色彩が強く、実際の心的過程においてコンプレックスと機能的に大きく重なる部分を持っており、現実の臨床例では両者を截然と区別するのは困難なように思われます。影がコンプレックスの形成を助長したと言える例もあるでしょうし、コンプレックスが作動して影が顕現したとも説明できる例もあるでしょう。こうして、二重人格は影の顕現とも言えるし、コンプレックスの作動とも言える。つまり、影とコンプレックスは個人的無意識において渾然一体となり円環構造を形成していると把握するのが妥当なような気がします。

この辺りは他のコンプレックスと元型の関係全体にもある程度適用しうる関係性なんでしょうか。大きな誤読誤解を孕んでいる気もしますが、先の河合先生の本を再読する際この辺りを意識して読めばまた違った発見もあるかもしれないので、今後の理論的整理の為にも一度思考過程を拙いながらもまとめておきたいと思います。
タグ:こころ
posted by かがみ at 00:32 | 心理療法