【参考リンク】

現代思想の諸論点

精神病理学の諸論点

現代批評理論の諸相

現代文学/アニメーション論のいくつかの断章

フランス現代思想概論

ラカン派精神分析の基本用語集

2015年06月26日

安保法案雑感

この辺は遺憾ながら不勉強でして雑感だけ。

歴代の法制局長官が「憲法9条に違反する」と指摘(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース

“当初はお盆前の法案成立を目指していましたが、与党幹部は「憲法学者の違憲表明ですべてがおかしくなった」と嘆いています。”


今頃やっぱり憲法学者なんか呼ぶんじゃなかったって絶対思ってるんだろうなあ。

ホルムズ海峡の機雷掃海が具体的ケースとして挙げられていますけど、どうなんでしょう。機雷掃海時に戦闘状態に突入した場合などが想定されてるんですかね?日量1700万バレルの原油が毎日通過するあの海域が日本に重要なシーレーンなのは疑いないんだけど、これが集団的自衛権の発動要件である「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合」と言えるかは評価は分かれるでしょう。ホルムズ海峡を引っ張ってくるのは参照例としてはあまり適切ではないと言われています。

イランによる「ホルムズ完全封鎖」は非現実的 | 安全保障 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

あと、これだけ毎日の如く至る所で百家争鳴なのに、肝心の安保法案の中身自体を仔細に検証している記事というのは見かけないんですよね。安保法案というのは国際平和支援法の新設、そして、自衛隊法、武力攻撃事態法、周辺事態安全確保法、国際平和協力法などの従来法10法の改正案の総称です。これだけの数の改正なので、是とすべきところもあれば非とすべきところもどちらも出てくるはずなんですがそういう話にはなっていない。集団的自衛権、存立危機事態、重要影響事態という概念だけが先行してて、白か黒か、全部一緒くたに違憲か合憲かという、華々しいかも知れないけれど、あまり生産的ではない空中戦を延々とやっている印象が強いという感じです。

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posted by かがみ at 01:45 | 法律関係