最近ね、本棚を整理しまして。本棚はその人の内面を表すと言いますが、改めて本棚を見ると関心領域が四散しており、雑多な感じで何ともお恥ずかしい限り。最近は臨床心理に関心があるのでその領域にやや偏ってしまってる感じはありますね。
河合先生の文章は流麗かつ明晰というか、とにかく読み易い。そしてそこには、人の心は解らないし難しいし面倒くさい、けれども美しいし素晴らしい、そういう人間観が通奏低音として流れている。ユングとかいういわば飲みにくい怪しげな洋酒を日本人好みな飲み口のカクテルに見事に仕立て上げている。専門的な業績としてもロールシャッハとか箱庭とか色々あるんでしょうけど、もっと本質的にはそういう点にある気がします。