2013年11月27日

HIV検査目的で献血行くのはムダだしハタ迷惑

痛いニュース(ノ∀`) : HIV感染者の血液を輸血、1人のエイズ感染を確認…献血した男性は“検査目的”の疑い - ライブドアブログ

献血する際は事前に30個くらいの質問を機械に入力しないといけないんですよ。どこどこの国に渡航したかとか。その中に、過去半年以内に新たな異性との性的接触があったか、とか同性同士の性的接触があったかなどという質問項目があります。これは輸血によるHIV感染の危険を排除するためです。

献血にいくと、後日血液検査結果が郵送されてくるので、健康管理の一環としていく人も結構多いみたいですね。けれどもHIV感染の有無については本人には通知されません。なのでHIV感染を心配し、その判定代わりに献血いくとかそういう行為はムダだしハタ迷惑なんでくれぐれも止めましょう。仮にHIVの判定がしたいなら献血じゃなくて保健所の匿名検査を受けるべき。まあこれはあまり知られていないし献血に比べてなんか敷居が高い感じがあるのでその辺の周知はもっと徹底すべきでしょうね。

それはそれとしても献血は個人が気軽にできる社会貢献だし、献血ルームはジュースやお菓子が飲み食いし放題なので暇つぶしにはもってこいです。かくいう私も最近初めて献血いったんですよ。最初は「え!?こんなぶっとい針を刺されたまま15分間も((((;゚Д゚)))))))」ってなったんですが、血を抜かれている最中は意外とキモチイイんですよね。

【日本赤十字社】寄付・献血・ボランティア|献血基準

献血の血液検査で健康管理

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posted by かがみ at 01:54 | 時評/日記

2013年11月24日

デフレという円環と少子化対策

http://anond.hatelabo.jp/20131122120414

はてブで話題になっていた2人目の子どもを産んだら500万円あげるけどその後はシラネというラディカルな少子化対策案です。

けど産んだ後はご勝手にだと、普通にネグレクトとかがかなり出そうだし、児童施設に放り込まれる子どもの数も増えるでしょう。なにより普通にリスク計算できる人はそもそも500万円ごとき端金に釣られないのでインセンティブとしてどれほどの効果があるかも疑問。政策提言というより思考実験の叩き台という感じのエントリー。

そもそもなぜ少子化対策は必要なのかというと、社会保障システムの破綻というのも正解は正解なんですが、より根本的には、少子化によって税収が減少するからです。税収の増減は名目GDPの増減に連関します。ところが他方で名目GDPが減少する要因は貨幣価値が相対的に上昇しモノが売れないというデフレにあるといわれます。

ではデフレと少子化はどのような関係に立つのか。

この点について類型的にいえば、デフレが進行し経済活動が縮小した結果の一つとして少子化が起きているという「デフレゆえの少子化」説と、少子化こそが経済活動のパイを縮小させデフレ不況の元凶となっているという「少子化ゆえのデフレ」説があります。

けれどもこれらは事象の裏表の違いを言い表しているに過ぎないんですよね。「デフレ」というのは賃金デフレとデフレ不況の円環構造になっている。デフレ不況は賃金デフレを発生させる。その賃金デフレは労働者から子どもを産み育てる余裕を奪い少子化を進行させる。そういう意味では「デフレゆえの少子化」。そして少子化が進行する結果、経済のパイが縮小しデフレ不況が進行するという意味では「少子化ゆえのデフレ」。デフレという円環が描き出される過程の中に少子化という事象があるという認識が妥当であり、少子化対策というのはこのデフレ円環に楔を打ち込む作業に他ならない。

少子化対策を福祉と考えている内は景気はよくならない : 異常な日々の異常な雑記

こうして少子化に対処するにあたっては、保育インフラの整備といった直截的な対策の他に、公共投資による有効需要の創出というデフレ不況対策、そして賃金格差の是正および労働環境の改善といった少子化の原因である賃金デフレ対策が必要となるわけです。まあ結局は、普通の人が普通のしあわせを享受できる真っ当な社会を作りましょうよというところに収斂していくんですけどね。

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posted by かがみ at 03:17 | 時評/日記

2013年11月23日

リフレ政策の生理と病理

借り手不足に悩む日本の銀行―資金供給量増やす政策も限界か - WSJ.com

誰でも知っている通りアベノミクス3本の矢は@金融緩和A財政出動B成長戦略です。Bは中長期的なスパンの話ですから括弧にくくるとして、短期的に見た場合問題となるのは@とAの比重でして、この点についてはアベノミクス内部でも、財政規律を重視し金融緩和をメインに据えて財政出動は補完的なものに留めるとする考え方と、あくまで金融緩和と財政出動は並列的に同時稼働させるべきという考え方があるようです。

前者はこれは金融緩和でマネタリーベースさえ増やしておけば、あとは神の見えざる手に任せておけばよいという新自由主義的な思考といえるでしょう。もとより経済停滞の原因がデフレ不況と賃金デフレの円環構造にある以上、その円環からの脱却を図らんとするリフレ政策は理論的には正しい核心があります。ただ、フィリップス曲線が示すようにインフレ率と完全雇用率が2%で連関するとしても、マネーの大半が金融資産市場に流れ込む現代経済においては単純なマネタリーベースの増加がインフレ率の上昇に直ちに結びつくとは限りません。世の中を見渡すと何となく物価が上昇している雰囲気ですが、これはあくまで円安によるエネルギー価格の高騰による物価上昇であり、インタゲにおいて真に設定すべき目標数値であるコアコアCPI(総合指数から、生鮮食品、エネルギーの価格を引いた消費者物価指数)はようやく下げ止まったばかりです。

焦点:コアコアCPI下げ止まり、「デフレ脱却宣言」残る条件は | 日銀特集 | Reuters

要するに国内の需要が改善された結果の物価上昇ではないんですよね。また、あまりの長期間デフレ不況が続いた結果、企業の投資判断も相当に慎重になっており資金需要が短期で劇的に改善される可能性は低い。現状、日銀の口座にはマネーがブタ積み状態というわけです。

民間の資金需要が期待できない以上、さしあたって政府が率先して有効需要を創出するしか無い。従って、リフレ政策が妥当だとしても、その実施に当たっては、金融緩和と財政出動の同時稼働が正解なんでしょう。デフレ期というのは国債価格が暴落しにくいという側面もあり財政出動はむしろやりやすい。確かに長期的に見れば金融緩和のみでデフレ脱却は理論上可能なのかもしれませんが、ケインズ的にいえば「長期的に見れば我々は死んでしまう」ということです。

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タグ:経済
posted by かがみ at 07:29 | 時評/日記

2013年11月21日

特定秘密保護法案と長谷部憲法学

最近ちょっと更新が滞り気味でしたね。物理的に多忙なのもあったんですが、それでも新編まどかの物語解釈を纏めて文章にしようなどとかそういう構想が一応あるにはあったわけです。ところが、まあこれがびっくりするほど全く纏まらない。必ずどっかに引っかかって解釈論としての整合性が取れず思考のループから抜け出せない。結果、ただ無為に日々だけが過ぎ更新が滞ったという次第です。

そんな折にTwitterにて「異常な日々の異常な雑記」の管理人である煎茶さんから、秘密保護法案につき意見答申せよという過分なご依頼を頂きましたので、その時のコメントに若干加筆修正し雑感として記しておきます。

特定秘密保護法案「民主主義の危機」反対の声多数 政府は衆院通過目指す

特定秘密保護法案 「治安維持法」復活の危険性も? 〈週刊朝日〉-朝日新聞出版|dot.(ドット)

特定秘密の保護に関する法律案

国家安全保障会議(日本版NSC)創設と表裏の関係にある法案で、現在、衆議院で審議中。内容を大まかに見たところ、普通に怖いと思ったのが、漏洩行為や特定取得行為を「共謀し、教唆し、又は煽動」する行為までも別個に犯罪構成要件として規定している点。

どういうことかというと、刑法の通説である共犯従属性説によれば、教唆犯など共犯の成立にあたっては正犯行為の存在が前提となります。ところが本法案では教唆などの行為につき別個の構成要件を立てていることから、これらは正犯行為を待たずに既遂となる独立罪となります。つまり、実際に漏洩行為や特定取得行為といった「実害」が発生せずとも、ただこれを「共謀し、教唆し、又は煽動」したという理由だけで処罰される可能性があるということです。

田原総一朗 「真相迫れば『扇動』?」と特定秘密保護法案を危惧 〈週刊朝日〉-朝日新聞出版|dot.(ドット)

【秘密保護法案】 『ブロガー処罰 政府否定せず』 〜ネット言論の弾圧が現実に〜 - 暗黒夜考〜崩壊しつつある日本を考える〜

こういう「可能性がある」という事実は、表現活動に対する萎縮効果を生むでしょう。その意味で本法案は憲法の保障する表現の自由との間で少なからず緊張関係を孕むといえる。特に本件は紛うことなき内容規制であり、憲法学の通説である二重の基準論的に言えば「明白かつ現在の危険の法理(Clear and Present Danger)」が妥当する領域となります。また本法案は機密保護立法の国際ガイドラインであるツワネ原則に照らしても問題が多い内容といわれています。

特定秘密保護法案“賛成”“反対”の意見 | 日テレNEWS24

ところで、憲法学界の重鎮であられる長谷部恭男教授が本法案に基本的に賛成の姿勢を取っているのは興味深いところです。長谷部先生といえば「切り札としての人権」論で有名でして、「比較不能な価値の迷路」などの衒学的な憲法理論はなかなか面白かったりもするんですが、他方では「日米安保は憲法原理から自ずと決まる」などという見解もお持ちだったりもします※。そういった長谷部憲法学の諸々を深いところで敷衍していくと、あるいは本法案を追認するような結論もでてくるのかな?という気はしますね。

※日米安保がどうこうというわけではないんですが、それは「憲法原理的に決まる」とかいわれると論理的にそれはどうなのかと思うわけです。

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posted by かがみ at 04:18 | 法律関係

2013年11月14日

生活保護法改正案が参院通過。申請手続厳格化がもたらすスティグマ効果。

生活保護法改正案など参院通過 NHKニュース

生活保護法改正法案を成立させてはいけない理由(大西連) - 個人 - Yahoo!ニュース

このまま改正案が衆院を通過するのも時間の問題と思われる。生活保護法の本格的な改正は1950年の施行以来初めて。 確かに、就労による収入の一部を自治体が積み立て、自立の際の支援金として給付する制度など、ある程度評価されるべき制度も盛り込まれていますが、全体的に見れば完全に改悪です。

申請手続の厳格化は、どう言い繕うとも 現状ただでさえ全国至るところで制度の趣旨を曲解したずさんな運用が行われている実態を追認強化するものと言わざるを得ない。 明日をも知れぬ切羽詰まった相談者にこれこれの書類を全部そろえて持って来いとかドヤ顔で言い放つ役人という図が今から目に浮かぶようです。さらに行政は家族の資産を調べ上げるぞと相談者を合法的に脅せることになるでしょう。ましていわんや現在のみならず過去の被保護者およびその扶養義務者の保護期間中の資産・収入等についてまでも調査可能とする第29条に至っては文字通り絶句するしかない。そんなことをして一体何の意味があるのか理解に苦しむ。スティグマ以外の何者でもないですよ。

Afternoon Cafe 北海道で生活保護や支援を受けられずに亡くなった姉妹を思う

とにかくもうこういう悲劇を繰り返してはいけないんです。政府答弁によれば今回の改正は「特別な事例に対応するための変更である」としてますが、特殊事例に対処するため一般原則の方を改変するのは、立法政策としてあまりにも不細工。牛刀を以て鶏を割くと言う他はない。のみならず既存の福祉水準を不合理に後退させるという観点から違憲性の問題をも相当に孕んでくると思われます。確かに不正受給などけしからん受給者の問題は由々しきことなんでしょうが、その撲滅に血道をあげるあまり本当に必要な人が救われないという本末転倒などあってはならないことです。

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posted by かがみ at 03:44 | 法律関係