2013年09月21日

iPhone5s/5c発売。初日から三大キャリアが札束で殴り合い。

iPhone 5s/c、発売初日に高額なMNPキャッシュバック付き キャリアの現金バラマキは過熱の方向へ | すまコジ

前日までは各キャリアともLTEの回線品質だとかキャリアサービスの優位性だとかの綺麗事を慎ましげに並べておきながら、夜が開けた途端に一転、なりふり構わず札束で殴り合いを始めるわけですから、何とも詮無きものです。至るところで実弾射撃の狂騒乱舞が華々しく展開されるという、そんな身も蓋もない情景を心行くまで堪能できたiPhone5s/5cの初日でした。久しぶりに早起きしてよかったw

在庫については、シルバーとゴールドは事前情報通り品薄でしたが、スペースグレイであれば割と余裕のある印象。御陰様で大過なくドコモ版iPhone5s入手です。たぶん朝から並ばなくても普通に入手できたと思う。ただ仮にも福岡ドコモ旗艦店なのに、アクティベートした次の瞬間に燦然と輝く「3G」の二文字。何とも気まずい空気になったのはご愛嬌。少し離れたらLTEに切り替わりましたので、局所的に混んでいたという事でよろしいでしょうか?一部で噂されていたドコモやXiのロゴはなし。当たり前ですね。

「iOS 7」に早くも脆弱性報告 不正使用される恐れ - ITmedia ニュース

iOS7には200以上の機能を詰め込んだらしいですが、とりあえずその恩恵は現状実感できていない。それより見た目ですよ。いつからGoogleの子会社になったんだよというあのフラットデザインはやはり違和感がありまくる。ホーム画面のフラット化は百歩譲って許せるとしても、各アプリのインターフェイスはどうひいき目に見てもチープな印象は拭えない。

従前のスキューモフィズムにはMacOSXのAquaの流れを汲むスマートさと、長く使い込みたいっ!っていう一種の「手触り感」って言うんですかね?そういう暖かみが同居していたんだけど、今回のフラットデザインからは残念ながらそれが微塵も感じられない。simpleとかじゃなくて単純なんですよ。たしかに機能的と言えば機能的なんだろうけど、なんかね。使い込みたいっ!って言う気持ちが全く起こらない。通話アプリやカレンダーに至っては機能的な面でも普通に劣化してる始末。MacOSXもああいうデザインになるのはさすがに勘弁して欲しいというのが正直なところです。そんなんだからdメニューとdマーケットのiモード的雑然さが逆に新鮮にみえてしまったりするわけです。

posted by かがみ at 00:48 | 時評/日記

2013年09月05日

婚外子の相続差別違憲判断について。別に最高裁は不倫を奨励しているわけじゃないですよ?

「婚外子」相続差別 最高裁が違憲判断 NHKニュース

たまには判例評釈もやりたいと思います。本件は最高裁が下した戦後9番目の法令違憲判断となります。

本件で問題となっている民法900条4号っていうのを簡単に説明しておくと、たとえば、夫Aと妻Bに子CとDという家族がいるとする。ところが他方でAはE女と不倫しててその間にFっていう認知した子どもがいた。こういう状況でAが遺産を2000万円遺して他界しました。さあ相続分はどうなるかという話です。現行民法を適用すると配偶者のBが半分の1000万円とります。Eは婚姻関係がないから相続分はゼロです。そしてCとDがそれぞれ5分の2の400万円でFは5分の1の200万円。

この扱いじゃFが可哀想じゃないかということで、今までも憲法14条の平等原則違反としてさんざん争われてきた問題でして、今回ついにカタがついたという格好になります。民法900条4号の合憲性と言えば憲法や民法の教科書では重要論点扱いなので法学部の皆さんはしっかり押さえましょうね(笑)

本件決定の原文はこちら。昨日出た判例なのにもう掲載してたのはちょっとびっくりしました。

平成24年(ク)第984号,第985号 遺産分割審判に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件 平成25年9月4日 大法廷決定

法制審議会や諸外国の立法の動向に加え、パラサイトシングルやできちゃった婚に言及したりと、最高裁にしてはなかなかアグレッシブな論旨を展開しています。

平等原則違反についてはいわゆる三段階審査基準が通説的理解であり、相続制度っていうのは人種や性別と異なり単なる財産権なので一番緩い「合理性の基準」が適用される。これまで最高裁は法律婚主義の建前があるからそれはそれで合理的な区別だ、半分あるだけまだマシだろって言ってたんですね。一方で、非嫡出子っていうのは「個人的努力では変えられない立場」という属性でもあります。今回の決定論旨を全体的に眺めると、そのあたりも加味して「厳格な合理性の基準」に近い水準で審査を行っているという印象はありますね。

子供には自分が「婚外子」になるかどうかなんて選びようがないわけで。 - 脱社畜ブログ

最高裁が不倫を奨励するのか、とかそういった批判もありますが、不倫は普通に離婚事由だし不倫相手は本妻から賠償請求される可能性も当然ある。本件はあくまで相続の話。この判決により法律婚主義の家族制度が揺らぐとか、そういう大げさな話ではないからですからね。どのみちこの規定の削除はもう時間の問題だったから、最高裁も動きやすかったんでしょうね。

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posted by かがみ at 04:24 | 法律関係

2013年09月03日

少子化対策が孕む諸論点

経済学者は何故、少子化を問題視しないのか? : 異常な日々の異常な雑記

経済主体にライフサイクルを織り込むモデルというのは確かにちょっとなさそうですが、財政政策の各論的に少子化対策を持ってくる意見は割とあると思います。高速道路を作るか子どもを作るかどっちの乗数効果が高いか、ということなんでしょう。子どもは何も持たずに産まれてくるから消費性向は極めて高いし、関連産業の裾野も幅広いわけですから、少子化対策はマクロ経済的な意味においてある程度高い乗数効果を期待できる。これは間違いないでしょうね。

けれども政策論的にそれはどうすればいいのかっていうと正直わかんないんですよ。国が道路を造るぞって決めてバラマキをやったら多分どこかに道路はできるんでしょうけど、子作りの場合そうはいかないでしょうからね。

もちろん究極的な解決策っていうのはあるんですよ。あえて言わないけど、ちょっと考えれば誰でもわかりますよね?そういう究極的な解決策っていうのはあるんだけれど、いやしくも自由主義社会を自認する我が国でそれをやったらもう終わりっていうのもよくわかるでしょう。

価値観の多様性を認めつつ少子化対策を推進するのであれば、それはいわゆるアーキテクチャの規制に依らざるを得ないんでしょう。でもこれって、ぶっちゃけ何処から手を付けていいのか本当にわかんないんですよねこの問題って。

煎茶さんが時折仰っているように、保育環境、教育環境の整備が重要な課題なのは間違いないでしょうし、労働政策の問題と表裏の関係にあるのも確かなんでしょう。他方で、現代医学の水準を照合させつつフェミニズムや生命倫理といったかなりセンシティブな問題にも手を突っ込まざるを得ない。こないだ独身女性の卵子凍結を容認とかなんとかというニュースがあってましたが、厳然たる事実として出産の当事者はどこまでも女性です。そのフェイズにおいては男なんて所詮部外者ですよ。状況に右往左往するのが関の山です。そういった関係する諸分野を横断的に見通した上で、最適なバランスを見極めて統合した政策をパッケージ的に提示しないといけない。そうやって考え出すと、もう考えれば考える程わけがわからなくなってくるという感じが現状正直なところです。

あと何だろう?ついでの雑感で恐縮ですが、ロスジェネ世代っていうかちょうど幼い頃にバブルの幻想を垣間見た世代なんかだと、どうしてもその時の世の中の幸せの基準で恋愛とか結婚を考えてしまってて、あんなの自分には到底できない、無理だってなっちゃう人って割といると思うんですよ。幸せの基準が過剰なまでに上がってしまっているから不幸になる。お嬢様のつもりが臆病になってるだけという悲劇です。トレンディドラマ(笑)のような恋をしなければいけないとか、もうそういう時代ではないでしょう。

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posted by かがみ at 01:55 | 時評/日記

2013年09月02日

宮崎駿監督「風立ちぬ」を最後に引退へ

前回の俺妹の文章がどういうわけか割と好評で、なんとはてなブックマークのホッテントリにも上がるという光栄に浴してしまいました。あそこに自分のブログの名前が乗るっていうのはなんだか不思議な気分ですね。ブクマして頂いた方大感謝です。ああいう文章が毎回書ければいいんだけどね。なかなか難しいです。

そういうわけで、今回は普通にニュースに適当にコメントするいつもの感じで。

朝日新聞デジタル:宮崎駿監督が引退へ アニメ「風立ちぬ」を最後に - カルチャー

今までも繰り返し、これを最後に引退宣言→いつの間にか復帰のパターンを繰り返していた気もするけど・・・・今回は会社としての発表だし割とマジっぽい感じですね。今後も短編小品みたいなのは作るのかもしれないんだろうけどね。「風立ちぬ」は色々言われているけど、その終わらせ方には美しさを感じた。「その後」を敢えて具体的に描かないことで最後に凛とした叙情を残したまま銀幕を降ろせたんじゃないかな。終わりよければ何とやらではないですが、良い映画だったと思いますよ。

もう夏も終わりですね。人生は映画とは違って嫌でも明日はやって来る。終わりなき日常です。綺麗な思い出だけを数珠のように繋げてノスタルジーに浸るのもいいでしょうけど、それじゃ世界は何も変わらないしお姫様は相変わらず籠の鳥のままですよ。凡人たる我々は無限に乱反射する現実の光彩の中で今できる事を一つひとつやっていくしかないんでしょうけどね。それでもまあ、生きねば。なんてね。

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タグ:アニメ 人生
posted by かがみ at 02:29 | 文化論