2013年03月13日

生活保護法とロールズ的正義

ナマポとパチンコ〜国民を攻撃すべきなのか、国家を攻撃すべきなのか〜 (異常な日々の異常な雑記)

小野市の生活保護受給者のパチンコ云々の件。生活保護の金をパチンコにつぎ込むことの是非はあるでしょうが、他方、生活保護の決定・実施というのは本来は国がやるべき法定受託事務なので、少なくとも、いち自治体が独自条例を作ってそういうところに手を突っ込むのは、条例制定権の限界論的な観点からいって果たしてどうなの?という部分ではあります。

最近、何かと風当たりの強い生活保護制度ですが、あれは別に慈善事業でやっているわけではないですからね。治安維持対策の側面があることは否定はできないし、消費性向の高い層に重点的にカネをばらまくのは乗数理論の基本でしょう。昔の憲法の学説なんかでは、資本主義経済である以上は憲法25条の社会権は法的には無意味なプログラム規定とかいう向きも有力ではありましたが、あれも所詮は高度経済成長と東西冷戦という時代背景の産物に過ぎず、むしろJ.Sロールズが論じたように、個人の価値そのものと社会的評価を切断する道徳的恣意性の議論を前提とすれば、所得の可及的な再分配は社会契約レベルの要請であり、健康で文化的な最低限度のラインを確保する生活保護法を底辺とした社会福祉法体系の存在は、持続的な資本主義体制を原理的に正当化する役割をもっているはずです。

それは確かにけしからん受給者はいるでしょうね。ただ、そういう輩を血眼になって捜すのが福祉制度の役割ではないはずです。たとえ99人のクズを見逃してしまったとしても、本当に必要な人が1人救われればそれでいいじゃないか、と思うのは違うんでしょうかね。

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タグ:法律 福祉 格差
posted by かがみ at 06:02 | 法律関係

2013年03月11日

法律解釈論はある意味宗教

法学の方が『理系』で、工学の方が『文系』という話 〜本当の理系と本当の文系について〜(雪見、月見、花見。)

なかなか興味深い議論なので一言。

リンク先ブログ主様の演繹的か帰納的かという区分論は非常に面白いですが、法律学に付いて言えば、領域によって若干傾向は分かれますかね。憲法を始めとした公法系は良くも悪くもイデオロギーが先立つので、なるほどかなり演繹的な部分が目立つ。憲法は言うまでもなくアレだし、刑法とかも昔から主観主義対客観主義やら行為無価値対結果無価値など、それこそ明治の昔から果てしない神学論争をやらかしていた。

ただ、一方で民法や会社法といった私法系は現実の経済活動をどうしても前提とせざるを得ない。基本哲学はいくら高邁でも解釈論的帰結が取引社会の実態から遊離しているような学説は実務家からはそっぽを向かれるし、学生さんにも司法試験の教科書として使ってもらえない(笑)

そういうわけで私法系はいきおい帰納的にならざるを得ない。少なくともそういう傾向の学説が通説になりやすいですね。

もちろん、上記の差は程度の差であって、法典解釈である以上、基本的にはドクマ的な宿命をもっている。そういう意味では宗教と同じ構造をもっているんでしょう。解釈論の正しい正しく無いなんて客観的に証明のしようがないですよ。やはり根幹においては「お前がそう思うんならそうなんだろう。お前ん中ではな」いう世界ではあります。

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タグ:法律
posted by かがみ at 21:38 | 法律関係

2013年03月01日

「琴浦さん」の原作は淡々とした進行が独自の空気感を出している

原作のブラックさが薄まって魅力半減なアニメ「琴浦さん」(りきおの雑記・ブログ)

クリエイティブな領域と民主主義というのはとかく相性が悪い。初めはソリッドなアイデアだったものも、民主的な組織を経由することで角が取れて丸くなってしまう。制作委員会方式で描かれるアニメというのはある意味で民主的媒体なので、多数のステークホルダーの利害が絡み合う制作過程を経由しているうちに原作がもっていた妙味が消されてしまうということはよくある話でしょう。「琴浦さん」の原作は1巻だけ読んでみましたが、基本4コマ進行でアニメとは違う独自の空気感を出している。確かに、森谷さんの実家が新興宗教から空手道場に改変されてしまった点は、彼女の印象をだいぶ違うものにしているには否めない。そのためアニメでは、あれだけのクズっぷりを惜しげも無く披瀝しておきながら、あっさり無罪放免になってしまうところにどうしても違和感が残ってしまった。ただ、その他については原作の流れをむしろ良く汲みとっていると思いますよ。その上で、あの神憑った第1話アバンをはじめとした独自の付加価値を付けている。その点は高く評価できるでしょう。


タグ:アニメ
posted by かがみ at 05:10 | 文化論